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【2025年3月期 第1四半期決算発表】成長へ向け種をまく

みなさまこんにちは。IR担当をしている金岡です。
当社は2024年8月8日に2025年3月期の第1四半期決算の発表を行いました。

今回はそちらの発表内容から、トピックをいくつかピックアップして解説いたします。ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。


はじめに

決算発表と同時に、機関投資家・アナリストの方向けのオンライン説明会を行いました。

CFOの塩川が説明しており、ログミーファイナンスで書き起こしが公開されています。
初めての方で、当社の事業、サービスの内容などを知りたい、という方はこちらをご覧ください。

業績ハイライト

2025年3月期の第1四半期(1Q)は、前期との比較で売上が増加しましたが、利益は減少し、四半期の営業利益としてはマイナスとなりました。

売上高は堅調に伸びています。また、MRR(Monthly Recurring Revenue)解約率は、「解約などで一か月でおよそどれくらいの売上が減るか」、を%で示した数字ですが、マイナスの値(ネガティブチャーン)になっています。

「ネガティブチャーン」とは、新サービスの追加導入や、よりグレードの高い契約プランへの変更などで、既存のお客様のご利用料金が前の月を上回った、ということを意味しています。

新しいお客様にサービスを導入していただくだけでなく、新サービスのリリースや機能拡充などで、既存のお客様にさらに高い付加価値を感じていただけていることが、こういったネガティブチャーンになる主な要因です。

こういった既存のお客様の高い満足度や、安定した経営基盤を活かし、今期は投資を強化する時期、と位置付けています。

そのため、主に人的資本関連の投資を拡充しており、現時点では売上に対して若干コストの方が先行している状況です。その結果、1Qの営業利益としては赤字になりましたが、通期ではしっかりと業績予想の利益水準を達成したいと考えています。

なお各コストの内訳については、後段でもっと詳しく解説いたします。

損益計算書サマリー

前年のP/Lと比較した下記グラフのとおり、当社は例年の傾向として、1Qの利益は比較的低水準にとどまることが多いです。

これは期の後半にいくほど売上高が伸びていく一方、コストは一定水準であまり上下動せず推移するため、結果として利益が出るのが第3四半期(3Q)や第4四半期(4Q)に偏るためです。

従いまして、1Qについてはいわば「準備段階」であり、3Q、4Qといった後半まで継続してご注目いただければありがたく思います。

費用の内訳

費用の内訳を前年同期との比較で示したグラフです。

コスト増の中身は、主に人件費です。

今期は特に「持続的な成長に向けた人的資本投資の強化の時期」と位置付けており、全体の給与水準の引き上げや、積極的な人材採用、社員研修などの育成強化、組織診断サーベイの実施など、さまざまな施策に取り組んでいます。

また、売上成長の加速に向けた各種マーケティング施策の強化にも取り組んでおり、販売管理費の「その他」項目についても伸びが見られます。

これらの投資により、若干コストが先行している状況ではありますが、徐々に成果も見え始めております。

これらの施策を引き続き着実に実行していくことで、今期の後半にかけて利益面も巻き返してまいります。

人員構成

1Q時点での人員構成は下記のとおりであり、各組織で大きな偏りなく、バランスの良い体制強化に成功しています。

主に新卒採用が好調であり、「人手不足」といわれる目下の採用環境のなかでも、成果をあげられています。

採用戦略と合わせて、採用した人材の育成についても、研修の充実や組織診断サーベイ、360度評価の導入などさまざまな施策を行っております。

なお、これらの人的資本の状況については、ホームページでも各種のKPIを公開しております。

こういったデータも公開することで、これから当社の選考を希望される方や、その他さまざまなステイクホルダーの皆様に対して、フェアな情報公開を行っていきたいと考えています。

第1四半期決算のポイントまとめ

1Q決算発表内容のまとめです。

売上が成長している一方で、費用も増えています。

これは、中長期の持続的な成長に向け主に人的資本関連の投資を強化するステージとして今期を位置付けているためでもあります。

業績予想については5月に発表した数字と変更ありません。期の後半にかけてしっかりと巻き返し、業績予想を達成していきたいと考えています。

人的資本関連の投資については、優秀な人材を採用・定着させていくうえで、避けては通れないものと考えています。

後段でも説明しますが、不動産テックのマーケット規模は引き続き拡大する予測がされています。
当社としてもマーケットの拡大に合わせて体制強化を続け、事業を伸ばしていきたいと考えています。

SaaSサービスのラインナップについても引き続き新しいプロダクトの開発を行っており、例えば「建物・修繕管理」に関する新規プロダクトなど、複数のプロジェクトが進行しています。

詳細は改めて発表の機会もあるかと思いますが、こういった新規のSaaSプロダクトについても、引き続き顧客のニーズを捉えつつ積極的に市場に投入していきたいと考えています。

四半期ごとの売上傾向

四半期ごとの売上高の伸びの状況です。

サブスクリプション型のビジネスの特徴として、既存のユーザーの満足度を高め解約率を低く抑えていくことで、新規ユーザーが増えるほど、月額利用料金が重層的に積み重なり、その結果売上高が時間の経過とともに継続的に伸びていく、という傾向があります。

当社もその傾向であり、時間がたつほどに売上高が持続的に伸びていることが、このグラフから見てとれるかと思います。

こういった例年の傾向からも、1Q時点での赤字については、後半でしっかりと巻き返せる、と考えております。

2025年3月期通期業績予想

2025年3月期の業績予想は下記のとおりです。
売上の成長を持続していく一方で、利益については前年比で減少する計画としております。

売上高については前年比で+10%程度の成長を見込んでいるものの、先述した投資強化の影響もあり、利益面については一時的な、いわゆる「踊り場」の局面、と捉えております。

先述したとおり人的資本関連の投資は予定どおり着実に実行できており、徐々に機能してきております。
今後その成果が出てくることに、ぜひご期待いただければありがたく思います。

導入事例ピックアップ

1Qでプレスリリースした当社SaaSの導入・活用事例のなかから、代表的なものをピックアップしています。

数万戸を管理する大手のお客様や、複数の会社が協同するコンソーシアムなどで、当社SaaSをご採用いただきました。

こういったお客様では、SaaSならではのスケーラビリティ、クラウドベースのシステムによる多様で協働的な働き方など、さまざまなメリットが特に活かせることから、お引き合いをいただいたものと捉えています。

ARPUの推移

いわゆるARPU(Average Revenue Per User)、SaaSの月額利用料の1社あたりの平均顧客単価についても、継続的に上昇しています。

数万戸クラスを管理する大手のお客様にご採用いただいたり、既存のお客様に複数のSaaSプロダクトを追加導入いただいていることなどが寄与して、持続的に上昇傾向が続いています。

大手のお客様に当社SaaSをご導入いただくことは、当社における目下の戦略的な注力ポイントであります。
こういったお客様からは引き続き多くのお引き合いをいただいており、この流れが継続することで、この単価上昇の傾向は今後も続いていくだろうと見ております。

一方で、比較的課金額が小さくなる規模のお客様に向けても、手軽にご導入いただきやすいパッケージングを施したSaaSサービスを引き続き展開・強化を行っております。

こういったお客様に対しても、当社サービスの付加価値を感じ、スムーズにご導入を進めていただきたいと考えております。そのため、こちらのARPUの推移だけでなく、全体の顧客数の推移についても、併せて今後ご注目をいただきたいポイントです。

中長期成長戦略

今後の成長戦略のポイントのまとめです。

5月に発表した資料から基本方針に変更はありません。

不動産テック市場の拡大の流れにのって、大手企業のSaaSシフトの機運を着実に取り込み、成長を目指してまいります。

SaaS型の不動産管理システムを提供できているベンダーは、いまだ市場に数少ない状況です。当社はそのなかでも大手企業で複数の採用・稼働の実績があります。

そのポジションの強みを活かしながら、大手企業のニーズを着実に取り込み、当社SaaSで形作られた大きなプラットフォーム・経済圏全体の付加価値を高めてまいります。

不動産市場で展開されるさまざまなトランザクション/コミュニケーションの媒介となるWebプラットフォーム「いい生活Square」をコアとして、既存サービス/新サービスがもたらす付加価値を無料ユーザーへ訴求、プロダクトレッドグロースでコンスタントにマネタイズしてまいります。

戦略実現のための機能リリース

「いい生活Square」の機能拡充として、「チャット機能」をリニューアルしてアップデートいたしました。

「いい生活Square」は、賃貸仲介・賃貸管理の不動産事業者に限定された、クローズドな不動産広告・仲介取引のWebプラットフォームです。

無料ユーザーとしてこのプラットフォームにログインされている多くの賃貸仲介会社の方向けに、このたびの「チャット機能」の拡充は大きく便利になる機能であります。

空室物件を見つけたあと、別のチャットアプリやメール、電話などのツールを使うことなく、スムーズにその物件の管理会社にアプローチして、取引を行うことができます。

また、プラットフォーム内の掲載物件数も増加しており、20万件を超えてますます魅力的なプラットフォームになってきております。

このプラットフォームの付加価値を引き続き育てることで、不動産周辺領域のさまざまなプレーヤーに対して、新しいアプリケーション・ソリューション・付加価値を提供できる機会が持続的に増えていきます。

当社はこのビジョンのもとで、不動産賃貸・管理領域だけでない、幅広い不動産関連の周辺領域までを含めたDXを、広く当社にとっての市場機会と捉えています。

なお、「いい生活Square」を開発しているチームへのインタビュー記事をnoteで公開しています。こちらもぜひ併せてお読みください。

プロダクトビジョン

先述した世界観、将来に向けたプロダクトの成長・拡大のビジョンを説明したスライドがこちらです。

さまざまな業務分野をカバーする幅広いプロダクトラインナップをそろえ、それらのプロダクト同士がリアルタイムに情報連携すること、またサードパーティのシステムなどともスムーズに連携すること。

それらをもってユーザーのみなさまのビジネス全体の最適化、DXを実現するのが当社のプロダクトビジョンであり、付加価値であると考えています。

今後ともこのビジョンに沿って、プラットフォームを中心として幅広い領域を取り込み、経済圏を大きく成長させていくことを目指してまいります。

不動産テック市場規模

外部第三者のシンクタンクから、2030年度の不動産テック市場の規模について予測したレポートがアップデート公開されています。

中立的な第三者の立場から、不動産テック市場は引き続き大きく成長することが予測されています。

今期の人的資本関連の投資強化は、この市場規模の拡大を見越した戦略的投資であります。長期的視点に立って投資を行い、成長するこの市場で一定以上のシェアを取っていきたいと考えています。

さいごに

最後までお読みいただきありがとうございました。2025年3月期第1四半期の決算内容から、トピックをいくつかピックアップして解説させていただきました。

当社は個人投資家の方向けに、オンライン説明会を定期的に開催しております。公式YouTubeに過去の開催分のアーカイブ動画を公開しておりますので、こちらもぜひご視聴いただければと思います。

以上、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

(ご留意事項)本記事は、情報提供のみを目的として作成しており、有価証券の販売の勧誘や購入の勧誘を目的としたものではございません。

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